イギリスの小切手の使い方?書き方は?

イギリスでは、支払いにカードが使われることがほとんどです。
とはいえ、小切手はいまだに有効な支払い方法。

最近ではあまり見かけなくなりましたが、数年前まではスーパーのレジで小切手帳を取り出し、記入して支払う人を見かけることがありました。

イギリスの銀行は、「カード化・デジタル化」を推進しています。その理由は、小切手(チェック:cheque)の処理に手間がかかるから。時代はすでに「デジタル化」しているので、これは自然な流れだと言えます。

そんなデジタル化が進む世の中ですが、小切手の書き方・使い方をご紹介します笑。

【イギリスの小切手の書き方・使い方】

(画像:http://www.nationwide.co.ukより、画中の番号はこちらで付与しています)

Nationwideからお借りした画像で説明します。
例として、以下の2種類を支払いたい場合です。

・「150ポンド」
・「150ポンド65ペンス」

小切手の書き方(詳細)

①受取人名

・個人に支払う場合

その人の名前を書きます。「Mr」や「Mrs」がなくても問題ありません。
フルネームが理想ですが「S Yamada」や「Mrs Yamada」のように略されていても受け付けてもらえます。

・企業に支払う場合

企業名をそのまま記入します。
もし不明な場合は、請求書を確認すると、「Payable to ABC Ltd.」のように記されていることが多いです。

これは「小切手のあて先は『ABC Ltd.』です」という意味です。
そのため、「Payable to」以下の「ABC Ltd.」を受取人欄に記入します。

②金額の記載(「Pay」の欄)

イギリスの小切手では、金額は基本的に数字だけでなく英語の金額(スペルアウト)でも書く必要があります。

「150ポンド」を支払う場合は、

「One hundred and fifty pounds only.」

端数がちょうどの金額の場合、このように書きます。
これは、小切手を受け取った人が「50ポンド」以下の金額を書き加えられないようにするためです。
日本の小切手でいうと「也」にあたります。

また、受け取った人が書き加えられないように「only」の代わりに線を引くこともよく行われます。

「150ポンド65ペンス」の場合は、

「One hundred and fifty pounds, sixty five pence.」
「One hundred and fifty pounds and sixty five pence.」

「pence」以下の単位は現在はありませんし、ペンス以下の金額を書き加えようとする人もまずいないので笑、この場合の「only」は不要です。

ちなみに、
「One hundred and fifty pounds, sixty five p.」
「One hundred and fifty pounds and 65 p.」

でも受け付けてもらえます。

③日付

基本的に日付はその小切手を振り出す日付です。

もしこの日付を「先日付(Post-dated cheque)」にすると、銀行は基本的に受け付けないことが多いです。
「将来の日付を書けば受取人を待たせられる」という話もありますが、私は試したことがありませんし、支払うべきものはさっさと払うべきだと思います。

「前日付(Antedated cheque)」の場合は、銀行は問題なく受け付けることと思います(確認しようがないし)。ただし、あまりに古い日付だと銀行によっては支払いを拒否されることもあります。

小切手の有効期限は、発行日(date of issue)から6ヶ月以内で、期限を過ぎると銀行が支払いを拒否する場合があります。

④金額の記載

金額を「数字」で入れます。
・「150-00」
・「150-65」

のように記入します。

・「150.00」
・「150.65」
・「150=00」
・「150=65」

でも受け付けてくれます。
ちなみに私は「『150=00』と書くように」と、教わりました。

⑤署名(サイン)

銀行の口座を開設したときに登録した署名を書きます。

銀行は、この小切手が正真正銘あなたが振り出したものであることを確認するために、小切手に記載されたサインと銀行に登録された署名データを照合しています。これは日本の金融機関で行われる印鑑照合と同じ仕組みです。

⑥記録

小切手帳には、何の支払いに使ったかを記録しておく欄(またはページ)があります。

後日、銀行の支払い明細を確認すると、支払った小切手番号が記録されます。後で「何の支払いだったか?」と分からなくなったときは、小切手帳の該当ページを見て確認することができます。

おわりに

日本で仕事をしていたときに小切手を振り出す業務を担当していましたが、個人が使う小切手なんて洋画の中でしか見たことがありませんでした。イギリスで銀行口座を開設して数日後、郵送されてきた小切手帳を見て「これかー」とプチ感動したことを思い出します。

アメリカのシットコム「フレンズ」では、ロスが「じゃあ僕が払おうか?」と言いながら胸ポケットから小切手とペンを取り出すシーンがあります。ペンとセットで小切手を持ち歩いていたというのが、今になって理解できる一コマでした。

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