英国王位継承の順位:その複雑さを分かりやすく解き明かす!

2023年5月28日

(画像:「The illustrated Coronation Edition]より)

英国王室の継承順位は、現君主が死去または退位した際、次の君主となる人物のリストです。

ウェールズ公(ウィリアム王子)が次の国王になるのはなんとなく分かりますが、

その次は誰なのか?
他にはだれがいるのか?
どのような順番なのか?

と、気になることがありませんか?

以下は、現在の継承順位をまとめてみました(計12人)。

イギリス(英国)の王位継承順位は?

1. ウェールズ公(The Prince of Wales)

現国王の長男、ウィリアムです。

ウィリアム・アーサー・フィリップ・ルイ(William Arthur Philip Louis)
His Royal Highness Prince of Wales(プリンス・オブ・ウェールズ殿下)

長年にわたり王位継承者としての役割に備えてきた重要な人物で、現在、継承順位第1位です。

公式の称号「His Royal Highness Prince of Wales(プリンス・オブ・ウェールズ殿下)」
その他の称号は、ウェールズ公(Duke of Wales)、コーンウォール公爵(Duke of Cornwall)、ケンブリッジ公爵(Duke of Cambridge)、ストラサーン伯爵(Earl of Strathearn)、チェスター伯爵(Earl of Chester)、キャリック伯爵(Earl of Carrick)、キャリクファーガス男爵(Baron Carrickfergus)、レンフルー男爵(Baron Renfrew)などがあります。

2. ジョージ王子(Prince George of Wales)

ウェールズ公の長男、2013年7月22日生。

ジョージ・アレクサンダー・ルイ・オブ・ウェールズ王子(Prince George Alexander Louis of Wales)
His Royal Highness Prince George of Wales(ジョージ・オブ・ウェールズ王子殿下)

3. シャーロット王女(Princess Charlotte of Wales)

ウェールズ公の長女、2015年5月2日生。

シャーロット・エリザベス・ダイアナ・オブ・ウェールズ王女(Princess Charlotte Elizabeth Diana of Wales)
Her Royal Highness Princess Charlotte of Wales(シャーロット・オブ・ウェールズ王女殿下)

4. ルイ王子(Prince Louis of Wales)

ウェールズ公の次男、2018年4月23日生。

ルイ・アーサー・チャールズ・オブ・ウェールズ王子(Prince Louis Arthur Charles of Wales)
His Royal Highness Prince Louis of Wales(ルイ・アーサー・チャールズ王子殿下)

5. サセックス公(The Duke of Sussex)

「ハリー王子」として知られています。
1984年9月15日生。

ヘンリー・チャールズ・アルバート・デイヴィッド (Henry Charles Albert David)
サセックス公爵ヘンリー王子(Prince Henry, Duke of Sussex)
His Royal Highness the Duke of Sussex(サセックス公爵殿下)

その他の称号は、ダンバートン伯爵(Earl of Dumbarton)、キルキール男爵(Baron Kilkeel)

6. アーチー王子(Prince Archie of Sussex)

サセックス公の長男、2019年5月6日生。
アーチー・ハリソン・オブ・サセックス王子(Prince Archie Harrison of Sussex)

7. リリベット王女(Princess Lilibet of Sussex)

サセックス公の長女、 2021年6月4日生。
リリベット・ダイアナ・オブ・サセックス王女 (Princess Lilibet Diana of Sussex)

8. ヨーク公(The Duke of York)

アンドリュー王子、1960年2月19日生。

ヨーク公爵アンドルー王子(Prince Andrew, Duke of York)
アンドルー・アルバート・クリスチャン・エドワード(Andrew Albert Christian Edward)
His Royal Highness The Duke of York(ヨーク公爵殿下)

9. ベアトリス王女(Princess Beatrice, Mrs. Edoardo Mapelli Mozzi)

ヨーク公爵アンドルーの長女、1988年8月8日生

誕生から結婚前まではベアトリス・オブ・ヨーク王女(Princess Beatrice of York)と呼ばれ、2020年の結婚後は、エドアルド・マペッリ・モッツィ夫人ベアトリス王女(Princess Beatrice, Mrs Edoardo Mapelli Mozzi)

エドアルド・マペッリ・モッツィ夫人ベアトリス王女殿下(Her Royal Highness Princess Beatrice, Mrs Edoardo Mapelli Mozzi)

(ただし、彼女はフルタイムの王室メンバーではなく、人工知能ソフトウェア会社アフィニティで副社長を務めている)

10. Miss Sienna Mapelli Mozzi

ベアトリス王女の長女、2021年9月18日生。

11. ユージェニー王女(Princess Eugenie, Mrs. Jack Brooksbank)

ヨーク公爵アンドルーの次女、1990年3月23日生。

ユージェニー・ヴィクトリア・ヘレナ(Eugenie Victoria Helena)

誕生から結婚前まではユージェニー・オブ・ヨーク王女(Princess Eugenie of York)と呼ばれ、2018年の結婚後は、ジャック・ブルックスバンク夫人ユージェニー王女(Princess Eugenie, Mrs Jack Brooksbank)

(ただし、彼女はフルタイムの王室メンバーではなく、ニューカッスル大学で英文学と美術史を学んだ後、様々な芸術関連の仕事に就いている)

12. Master August Brooksbank

ユージェニー王女長男、2021年2月9日生

王位継承者は、 王位継承法 に基づいて決められる

イギリスの王位継承者は「王位継承法」に基づいて、王室の血統と宗教によりその順位がきまります。

2013年の改定前まで、男子優先制であり、カトリック教徒やカトリック教徒と結婚した者は、王位継承権を失いました。

改正後は、男女平等制が採用されました。
兄弟よりも姉妹が先に王位を継承することができるようになりました。
カトリック教徒と結婚した場合でも王位継承権を保持しますが、カトリック教徒自身は、王位継承権を持ちません。

アン王女とアンドリュー王子は、改正前に生まれています。
以前はチャールズ王太子に次ぐ王位継承者でしたが、チャールズ王太子の子供、孫の誕生によりその順位が下がりました。

つまり現在では、長男ウィリアム王子やその子供たちなどがアン王女とアンドリュー王子よりも上位にいることになります。

イギリスDえ王位継承権を放棄した人は?

王位継承権を放棄した人もいます。

1936年に、イギリスのエドワード8世が王位継承権を放棄したことは有名です。

エドワードは、戴冠前にアメリカ人のウォリス・シンプソン(離婚歴あり)と結婚すると固く決心したため、そのような決断に至りました。

彼の放棄により、彼の弟であるジョージ6世が王位を引き継ぎました。
ジョージ6世の長女はエリザベス2世です。

おわりに

「Wales」と「Sussex」といった称号は、プリンス・オブ・ウェールズ(Prince of Wales)やデューク・オブ・サセックス(Duke of Sussex)といった形で父から子へと引き継がれます。
ウェールズ公(Prince of Wales)の称号は、中世から伝わる重要な称号で、通常は王位継承者に与えられます。

「Sussex」、「York」のような称号は、その地域においての象徴的な意味合いを持つもので、その地域を実際に治めているという意味ではありません。
儀式的な意味や、社会的、公的な地位を示すのに使われるようです。

(画像:「The illustrated Coronation Edition]より)