2023年5月6日チャールズ国王の戴冠式スケジュール

2023年5月6日

(画像:「The Illustrated Coronation Edition」より)

2022年5月6日、イギリスのチャールズ王の戴冠式が行われる予定です。

戴冠式はイギリスの歴史において重要な節目となるもの、世界中からの関心を集めているイベントです。

当日は、世界各地から億単位の視聴が見込まれています。
もちろんロンドンにも大勢の人々が集まることでしょう。

戴冠式は「伝統」と「現代性」を組み合わせたものになると言われています。
チャールズ国王は、国民が昨今の出来事に苦しんでいることを考慮し、費用や規模を削減した式を希望しており、また、よりスマートでモダンな今後の君主制を考えているようです。

以下、戴冠式のスケジュールです。
記念に書き記してみました。

チャールズ王戴冠式とのスケジュール

式典の日程は、現時点では、以下のように発表されています:

午前11時:キングス・プロセッション(The King’s Procesion)

馬車はバッキンガム宮殿を出発し、ウェストミンスター寺院に向かいます。
キングス・プロセッションは戴冠式の伝統的な一部であり、過去には、エリザベス2世やエドワード7世などの戴冠式で行われました。

チャールズ国王とカミラ王妃は「ダイヤモンド・ジュビリー・ステイト・コーチ」と呼ばれる馬車でウェストミンスター寺院に向かい、寺院からバッキンガム宮殿に戻るときは、金色の馬車「ゴールド・ステート・コーチ」で移動します。

ゴースド・ステート・コーチは1762年に作られた馬車であり、君主とその配偶者しか乗ることができません。
1831年以来、すべての戴冠式で使われてきましたが「重い、大きい、よく揺れる」8頭の馬が引く馬車であるため、王室の間ではかなり評判が悪かったとのこと。

そのため寺院に向かう際には、冷暖房、電動窓、最新のサスペンションを備えた快適な乗り心地である「ダイヤモンド・ジュビリー・ステート・コーチ」に乗ることになっています。

お二人ともご高齢なので、いくら王室用の馬車といえど古ければ体にきますよね。

午前11時30分:戴冠式(ウェストミンスター寺院)

式はカンタベリー司教によって執り行われます。

戴冠式の流れ

The Recognition/レコグニション(承認)

戴冠式の第一段階。

国王は、ヒューバート・パリーの「I Was Glad」に合わせて大修道院内を進むのが伝統。

進む国王に対して、ウェストミンスター・スクールのキングス・スカラーが「Vivat rex」と叫びます(どのように叫ぶのか不明なので、1953年のエリザベス女王の戴冠式のYoutube動画で確認しているところです笑)

「キングス・スカラー」とは、ウェストミンスター寺院の近くにある名門校、ウェストミンスター・スクールの奨学生のこと。奨学生は戴冠式に参列し「Vivat rex」と叫んで新君主を讃える。
国会を傍聴する権利もあり、この伝統は、1560年にエリザベス1世が学校を設立したときから。

国王は戴冠式の椅子の横に立ちます。
司教は、北、南、東、西を向き、列席している人々に「疑いなきこの国の王(undoubted King of this realm)」として君主を受け入れるよう求める。
(この形式はアングロサクソン時代に由来。公に反対意見を表明するためのものだった。)

列席の人々は国民の同意を表明し「God save The King!」と叫ぶ。
これにより、国王として認められ讃えられる。

その後、トランペットのファンファーレが鳴らされる、とのこと。

The Oath/オース(宣誓)

国王による戴冠式の宣誓。
国の法律と英国国教会を守ることを、カンタベリー大司教とウェストミンスター寺院に集まった人々の前で誓います。

誓いには英国の君主が持つ称号「信仰の擁護者」が含まれます。
この称号は、もともとローマ教皇がヘンリー8世に与えたもので、それ以来、英国の君主たちが保持してきたものです。

しかし、チャールズ王は「すべての宗教を擁護する」ことを示す言葉を追加するのではと予想されています。

王は、英国国教会だけでなく、英国における礼拝の自由と宗教の多様性を守りたいと語っており、イスラム教、ユダヤ教、仏教といった他の信仰にも関心と敬意を示しています。

The Anointing/アノインティング(塗油)

この儀式はヨーロッパ初期のキリスト教に期限すると言われています。
これは最も古く神聖な儀式であり、聖油を塗油することで王の神聖な地位を確認します。

聖油は、ゴマ、バラ、ジャスミン、シナモン、ネロリ、ベンゾイン、アンバー、オレンジブロッサムなどの精油がブレンドされているとのこと。

司教は2本の指で、国王の頭、腕、手、胸に油を塗油していきます。
1953年のエリザベス女王の儀式では、かけられた天蓋により、その様子を周りからは知ることはできませんでした。

今回は、透明な天蓋の製作が行われているとの報道があるため、塗油の様子を見ることができるかもしれません。

The Investiture/インヴェスティチュア(認証)

次に国王は、リネンの衣服である「コロビウム・シンドニス(Colobium sindonis)」を身に着けます。
コロビウム・シンドニスは「この世のすべての虚栄心を捨て、神の前に裸で立つ」という意味があります。

この上に「スーパーチュニカ(Supertunica)」という戴冠式の金襴の長衣を身につけます。

そして、着席している国王にレガリアが贈呈され、インペリアルマントやストールがかけられます。

戴冠式のレガリアとは、王権の象徴や権利、特権を表す紋章、記号、装飾品のこと。

数百年に渡り、戴冠式において中心的な役割をになってきているもので、5月6日の戴冠式でも使用される予定です。
これには、王冠、剣、笏、オーブ、指輪、スプーン、ローブなどが含まれます。

大司教が祭壇から、王冠を取り高く掲げて祈りを捧げ、国王の頭に被せます。
チャールズ王が正式にイギリスとその他の英連邦の君主となる瞬間です。

参考:チャールズ国王戴冠式での「レガリア」とは?

Enthronement/エンスローメント(戴冠)

国王は、戴冠式の椅子から、高台に置かれた玉座に移ります。
伝統的には、大司教、血縁の王子、上級貴族は、ひざまずき、両手で国王の手を包み込んで敬意を表します。

The Crowning of the Queen/クラウニング・オブ・ザ・クィーン(王妃の戴冠)

カミラ王妃もまた戴冠します。
よりシンプルな儀式により塗油され、国王の横の玉座に着席します。

カミラ王妃はメアリー女王の戴冠式用クラウンを着用する予定。

式典は、国王、王妃とその随行員がウエストミンスター寺院の外に出て終了です。
その後、再びコーチに乗り、バッキンガム宮殿へ移動します。

午後2時:バルコニーでの挨拶

チャールズ国王、カミラ王妃、その他の王室メンバーがバッキンガム宮殿のバルコニーに登場し群衆への挨拶をします。

よく映像とか写真でみる光景ですね。

おわりに

以上が、チャールズ国王の戴冠式の現時点でのスケジュールです。
バッキンガム宮殿でのバルコニーでの挨拶のときにRAFによるフライパストがあるかもしれません。

式が行われるのは土曜日なので、5月8日(月)が振替休日になります。