「素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー(Robot & Frank)」あらすじと感想
2011年のアメリカのサイエンス・フィクション映画です。
キャストは、フランク・ランジェラ、スーザン・サランドン、ピーター・サースガード(ロボットの声)、リブ・タイラーです。
最近は「記憶を失ってしまう」登場人物を扱った作品が多いですね。
記憶を失うということは本人も周りの人間もつらいです。
でも、こんなロボットがいたら寂しくないし、同じ話を何度しても受け入れてくれそうです。
「素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー」のあらすじと感想
1人暮らしのフランク(フランク・ランジェラ)は、その昔、宝石泥棒でした。
最近は老いに加えて認知症の症状にも悩まされるようになりました。
フランクを毎週訪ねる息子のハンターは、自身にも家族がいる身。
なんとか訪問の回数を減らしたい、そうはいっても施設に預けるのも気が引ける。
そこで、ハンターが持ってきたのは介護ロボットでした。
「ロボットなんて必要ない。使いたくない。」
と最初は突っぱねていたフランク。
ロボットにはフランクを介護するためのプログラムも組まれていました。
毎日、フランクを決まった時間に起こし、食事を作り、運動をするように促し、健康のためのアドバイスをします。
辛抱強く世話をしてくれるロボットのおかげで健康的な生活を送れるようになったフランク。
健康どころか、ロボットとの友情も芽生えてきます。
ある日フランククは、目の前のロボットは正確に作業をこなすけれど「合法・違法の区別がつかない」ということに気がつきます。
そこでフランクはロボットを使い、かつて行っていた盗みをしようと計画を立てます。
しかし盗みなんて長くは続きません。
警察が出てくる騒ぎになれば、かつての泥棒であったフランクに疑いの目が向けられます。
フランクは警察がロボットの記憶を調べることができないよう、ロボットの記憶を消去すべきかどうかの決断に迫られます・・・。
コメディ映画ではありますが、最後はちょっと切なくなりました。
ラストも切なかったのですが、フランクが図書館に掲げられていた写真を見てある事実に気がついた瞬間も、また切ない気持ちになりました。
彼のお気に入りのジェニファーは、かつては彼の妻だったということを、薄れていく記憶の中でフランクは思い出すんですね。
だからこそ、フランクは彼女のことを気に入っていたし、話しやすいとも感じていたのでしょう。
そしてデートにも誘う。
これが他の女性を選んでいたらそれまでですよね。
記憶をなくしてもジェニファーを気にかけるという事実が、彼女への愛が本物であるという裏付けになりますよね。
ジェニファーも、フランクが昔盗みをしていたことを知っていたし、別れた後でも知らないふりをしてデートに応じてくれたりと、そこにあった二人の間の愛情を感じることができました。
でも・・・残念だったのは、ロボットの記憶が消去されてしまったこと。
フランク自身も自分の記憶がどんどんなくなっていく中で、せっかく信頼関係を築いてきたロボットとの記憶をボタン一つで抹消するのは無念でした。
ほんと、1瞬なんですね。
デジタルなデータの消去と、記憶がなくなることって似ているような気がしました。