イギリスの小切手が不渡りになったらマズイ!?

2018年11月12日

 
イギリスで銀行口座を開くと、小切手帳(Cheque Book)が送られてきます。
この小切手に必要事項を記入して支払先に渡すと、支払先が小切手に記載された金額を受け取ることができます。

ただ、小切手を渡したはいいけれど、銀行の残高に十分なお金が入っていないと「不渡り」という状態になってしまいます。
こんな場合、どうなるのでしょうか?

 

イギリスで小切手が不渡りになってしまう意味は?

日本で個人が小切手を使うのって大金持ちぐらいです。
通常は、企業が支払いをしたり資金の移動をするために小切手を使うぐらいで一般家庭には浸透していません。

日本の一般人が小切手を使わない理由の1つには、銀行が送金も引き落としも、ほぼ間違いなく行うことができるからだそうです。
日本人からしたら「銀行が正確なのは当たり前」と考えられていますが、海外でも必ずしもそうではないようです。

イギリスでは今でこそダイレクトデビッド(Direct Debit;銀行引き落とし)が当たり前になってきましたが、その昔はそういったシステムは間違いが結構あったようで、小切手のシステムに頼らざるを得なかったと聞いたことがあります。

 

銀行口座に残高がないと?

小切手を振り出すからには、自分が書き込む金額の残高が口座に入っていないといけません。
振出日のその日に、十分な資金が入っているのがルールです。

しかし、何らかの手違いで不十分であると「不渡り」ということになります。

企業がこの「不渡りを」出してしまうと、倒産する可能性があります。
だからそれだけ小切手の支払はかなり重要です。

でも、日本だと深刻な問題につながる不渡りも、イギリスの個人口座の小切手は多めに見てもらえる?ようです。

私は昔、証券会社の口座にまとまったお金を送金しようと小切手を送ったのですが、記入した金額を間違えてしまって不渡りを出してしまったことがあります。

不渡りになってしまった小切手は、銀行からの手紙と一緒に返送されてきました。

「残高不足のため、あなたの銀行で受け付けてもらえませんでした。」

と書かれていました。

私は日本で勤めていたとき、企業の送金や小切手を振り出す業務をしていたので、

「これはマズイ!」

と、かなり怯えました。
そして、即座に、支払先に平謝りの連絡をしました。

「今度は間違いありませんので、どうかもう一度受け付けてください!お願いしますぅー!」

そうして次に送った小切手をすんなり受け付けてくれました。
あっさりと送金できたので「イギリスではよくあること?」と感じました。

でも、許してもらえたからといって、不渡りを何度も出すのはNGです。
残高をきちんと把握しておくのは社会人としては当然のことです。

不渡りを出すと、小切手を受け取った人が換金できないばかりか、銀行にも手間がかかります。
最近では、こういった処理には手数料が課されることが多いようです。

 

受け取った小切手が不渡りだった場合

反対に、こちらが受け取った小切手が不渡りになることもあるかもしれません。

イギリスのeBayで売った商品代金の支払いに、小切手を受け取ることがよくあります。
その中の1枚が不渡りになったのです。

イギリスのeBayではペイパル(Paypal)を使うことが勧められています。
でも「いまだに小切手の方が安心する」というイギリス人が少なくないです。

不渡りになってしまった場合は、本人に連絡をして対処をしてもらいます。
当然のことながら、お金になるまでは商品を送ってはいけません。

小切手を受け取ったら、自分の口座のある銀行に持ち込んだり郵送をして換金してもらいます。
銀行は、小切手を発行した銀行(つまり振り出した人の銀行)に回収作業をします。

こういう理由から小切手の換金ができる前に「3~5日」かかります。
そのため、小切手を受け取ったら早めに銀行に連絡する必要があるのです。

1日でも早く銀行に持っていけば、それだけ早く入金が確実になるし、相手も支払いが完了するということですね。