モネ・ゲーム(Gmbit)のあらすじ、感想、ネタバレ!

2018年11月12日

 

コリン・ファース主演の2012年の映画。
今は亡きアラン・リックマンがヌードを披露しています・・・。

最後の「どんでん返し」が大好きで、何回か繰り返して観ている映画です。

 

モネ・ゲームのあらすじと感想

ハリー(コリン・ファース:Colin Firth)は、アートキュレーターとしてメディア王のシャバンダー(アラン・リックマン)に雇われていました。
シャバンダーは絵画をコレクションしていたので、鑑定をすることが主な仕事です。

しかし、上司のシャバンダーは独裁的で狡猾であり、ハリーをいつでもぞんざいに扱います。
そんなシャバンダーにうんざりしているハリーは、シャバンダーが欲しがっている「モネ」の「夕暮れ」を利用して、シャバンダーから大金をかすめ取ってやろうと目論みます。

その計画に加担するのは、ハリーの知り合いのメイジャー(トム・コートネイ:Tom Courtenay)。
メイジャーは、贋作の達人だったのです。

モネの連作「積みわら」シリーズの1つである「夕暮れ」は、ナチスが1945年に略奪してから行方不明になっている絵画。
その「夕暮れは」かつてナチス関係者の部屋に飾られており、その場所を奇襲をかけたのがアメリカ兵でした。
そしてその中の「ブルナウスキー」という兵士が絵画を持ち去ったのでは?という説を利用することにしたのです。

ハリーとメイジャーは、ブルナウスキーの孫娘を探しにわざわざテキサスまで赴きます。
彼女の名前は「PJ」。

そして彼女をテキサスのロデオ大会会場で見つけます。
「PJ」はなんとロデオ大会で優勝するほどの活発な女性でした。
ハリーの脳内では、彼の陰謀が順風満帆で行われている風景がシュミレーションされます。

PJがハリーの計画を快諾・・・
PJの気品のある自宅でメイジャーの贋作を背景に家族と撮影・・・
PJのスマートかつ優雅な連携で、シャバンダーとの取引が成立・・・
そしてハリーが大金を手にしている・・・

そんなイメージでした。

ロデオ会場ではPJに声をかけられず、夜のバーで彼女を見つけるハリーとメイジャー。
彼女に声をかけたはいいけれど、スーツ姿のハリーは明らかによそ者風。
場違い感が前面に押し出ていたので、地元の若者にのされてしまいます。

そんな情けないハリーを心配して声をかけてくれたのがPJでした。

PJの協力を得られることになった二人は、PJの祖母の家に向かいます。

これは「モネの絵画はおばあちゃんの家にずっとあったのよー」
という「さりげない」証拠写真を撮るために、です。

写真はあくまで「ロデオクイーンの」お宅拝見のような感じで撮影されます。
そして、その背景にさりげなくモネの贋作が飾られています。

なぜなら、その雑誌はシャバンダーが取り扱っている媒体の1つであり、シャバンダーが目を通すことが分かっていたからです。

でも・・・、
祖母の家はハリーの期待とは遠くかけ離れた砂漠の真ん中にあるようなトレーラハウスでした。
気品あふれるどころか、祖母もほぼ、ボケているようなたたずまいで・・・。

そうしてやっとのことで写真に収めますが、ハリーのハプニングはまだ始まったばかりでした。
ロンドンに戻ったハリーは、さっそくシャバンダーに「夕暮れ」の話を持ち掛けてみます。
でも、シャバンダーは「そんな絵画は偽物だ」と一蹴します。

そこをハリーが何とか言いくるめてPJを呼び寄せることに成功するのですが、シャバンダーは
「話は聞くけれど、その絵画を欲しがっている素振りはしないように」
と釘をさしてきます。

しかし、ことは急変します。
イギリスにやって来たPJと会食をしたシャバンダーが、PJをエロい意味で気に入ってしまうんですねー。

そして「PJは高級ホテル『サヴォイ(Savoy)』に宿泊すべきだろう」と言い出したため、ハリーが費用を負担することに。

しかし、シャバンダーがPJと二人のときに
「今後はハリーではなくマーティンという別の鑑定士を雇うつもり。だからハリーは解雇するつもり」
と話します。
やんわりとハリーをかばうPJでしたが、ハリーの計画は期待どおりに進まなくなってしまったのです。
PJの滞在費を負担していたハリーは、金が底をついたため、大事に飾っていた小さい絵画を売ろうかと考え始めていました。
そしてその晩、訪ねてきたPJと口げんかしてしまいます。

PJは
「この計画はもううまくいかないし、私はもうテキサスに帰る」
と言い出します。
ハリーはサヴォイを訪ね「PJが宿泊している部屋の支払いを止める」と告げます。
しかし、PJはすでにアッパークラスの部屋に移動しており、その費用はシャバンダーが負担していると聞かされます。

一方、PJは、シャバンダーの接待に同伴していました。
接待の相手はシャバンダーの競合相手の日本人ビジネスマンたち。

ボスのタカガワ氏は、90年代、モネの絵画をめぐるオークションでシャバンダーに負けた過去を持っていました。
シャバンダーは、タカガワ氏からいくつかの事業を安値で買収し、アジア方面への進出を画策していました。

接待から戻ったシャバンダーとPJ。
それまでハリーはホテルの中で、閉じ込められたり・侵入したりのハプニングに遭遇しており、現場を見つかったPJに呆れられてしまいます。
PJに頼み込んでハリーが与えられた最後のチャンス。
場所はシャバンダーの邸宅で開かれた仮面舞踏会でした。

パーティーには、くだんの日本人ビジネスマンたちもやってきました。
会場にもぐりこんだハリーは、シャバンダー宅のモネの絵画までたどり着きます。

そこには、贋作の「夕暮れ」と、かつてシャバンダーが競り落としたモネの「日の出」が堂々と飾られていました。

その時、セキュリティーが作動し、本物のライオンがハリーに近づきます。
そんな窮地を救ったのは、テキサスでロデオクリーンを勝ち取ったPJでした。

 

ここから「モネ・ゲーム」のネタバレです

モネの絵画の前のハリーとPJに、シャバンダーとマーティンが加わります。
シャバンダーはハリーに解雇を告げます。

そして、マーティンはモネの「夕暮れ」を鑑定し、こう告げます。

「これは本物です」と・・・。

さあ、ハリーたちはどうするのでしょうか?
息をのむ瞬間です。

ハリーは、なんと

「これは偽物です」

と言い放ちます。

そして、びっくりしているシャバンダーとマーティンには目もくれず、絵画の一部を布でこすり始めます。
すると、こすった部分の下から、イギリス女王の肖像画が出てくるのです。

憤怒するシャバンダー、半ば吐き気をもよおしながら部屋を出ていくマーティン。
シャバンダーはPJを「価値のない女だ」とののしります。

PJも、
「モネの絵画は砂漠の真ん中のトレーラーハウスの中にかかっているのがそもそもおかしいわよ。あなただって、そんな見定めもできない価値のない男よ!」
と反撃します。

そして、ちゃっかりとハリーの解雇を撤回するシャバンダーでしたが、ハリーは、

「PJはとても知的で素晴らしい女性です。そんな彼女の資質を侮辱するような上司の元では働けません」

そういってPJと部屋を出ていきます。

コリン・ファースの紳士的な振る舞いは観ていて惚れ惚れします。
「高慢と偏見」のダーシーとか、ブリジットのマークとか、イギリス紳士を演じたら彼がトップ10に入ると思います。

「贋作だって言ってしまっていいの?計画はどうするの?」
と心配になりましたが、どんでん返しの後日談があるんですね・・・。
翌日、ハリーとメイジャーはPJを空港まで見送ります。

「PJには世話になった。何らかの謝礼をしなくては」
そう感じたハリーは、PJが「好きだ」と言ってくれたハリーの部屋の小さい絵画を彼女のバッグにそっと忍ばせておいたのです。

そして・・・

別れを告げたその後、ハリーとメイジャーが会ったのは、なんとあの日本人ビジネスマンのタカガワ氏と側近たち。
ハリーがタカガワ氏に絵画を受け渡します。

その絵画は「モネの『日の出』」でした。

メイジャーは「夕暮れ」だけでなく、「日の出」も贋作していたのです。
控えめなのにとっても有能なメイジャー。

ハリーは、シャバンダー邸宅のパーティーに、モネの「日の出」の贋作を持ち込み、ライオンがハリーを食べに来る前に、さっさと巧妙にすり替えたのです。

お見事です!

タカガワ氏も大喜び。
かつてのオークションで泣く泣く諦めた絵画をこうして入手できたのですから。

そして、ハリーとメイジャーは1,000万ポンドもの大金を手に入れたのです。
最後のどんでん返しがスカッとしますね。
楽しむコツは、登場するモネの絵画をよーくチェックしておくことです。

英語のリスニングに使うなら英語字幕はあった方がいいです。
日本語字幕、日本語音声なら純粋にストーリを楽しめます。

メイジャー役の「トム・コートネイ」はかつて「ドクトル・ジバゴ」「長距離ランナーの孤独」「ドレッサー」に出演していたイケメン俳優です。
最近では「カルテット!人生のオペラハウス」で主人公をずっと愛し続けてきた老人を好演しています。
素敵に年をとられています。

そして、シャバンダー役のアラン・リックマン。
2016年に亡くなってしまったのは残念としか言いようがありません!

ダイ・ハードの頃からちょっとクセのある役者だなぁと気になっていました。
2001年からはハリー・ポッターのスネイプ先生で日本でもかなり有名でしたよね。

個人的には「ラブ・アクチュアリー」で、アラン・リックマン扮する「若い社員と不倫をしてしまい猛省するお父さんの役」が大好きです。(コリン・ファースも出演しています)

この映画は1966の「泥棒貴族(Gambit」のリメイク版です。

ネットで調べてみると、ストーリーがちょっと違うようなのですが、マイケル・ケインとシャーリー・マクレーンが出演しているので、一度観てみるつもりです。

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