ラベンダーの咲く庭で(Ladies in Lavender)あらすじと感想
(画像:http://www.bbc.co.uk/より)
「老いらくの恋」がテーマのとても愛らしくてちょっと切ないストーリーです。
イギリスの大女優、ジュディ・デンチ(Judi Dench)とマギー・スミス(Maggie Smith)が出演しています。
ストーリ―もよいのですが、映画の中で演奏されているバイオリン演奏がおすすめです。
演奏は全てジョシュア・ベル(Joshua Bell)によるものです。
Youtubeで「Ladies in Lavender Joshua Bell」で探してみてくださいね。
「ラベンダーの咲く庭で」あらすじと感想
1930年代、美しいコーンウォールの海岸のすぐそばで暮らしていた初老の姉妹、アーシュラ(ジュディ・デンチ)とジャネット(マギー・スミス)。
ある日、雨嵐が海外を襲った翌朝、海辺に漂流し倒れていた一人の青年(ダニエル・ブリュール)を見つけます。
姉妹はその青年を家に運び入れ、看病をしました。
看病の甲斐あって意識を取り戻したその青年は、英語を話しませんでした。
アーシュラは彼と意思の疎通を図ろうと、彼に簡単な単語から教えていきます。
その美しい青年の記憶はいつ戻るのでしょうか?
ある日、お世辞にも上手いとはいいがたいバイオリンの音が近所から聞こえてきます。
青年は「ちょっと貸してみて」と、そのバイオリンを手に取り、いとも簡単に巧みな演奏を披露してしまいます。
さっきと同じバイオリンなの?と思ってしまうほどです。
これをきっかけに彼の名前はアンドレアであり、記憶がだんだん戻ってきます。
彼はポーランド人で、バイオリンの弾き手であったこと、乗船していたアメリカ行きの船が難破したことを思い出しました。
演奏家でハンサムな青年がいるだけで、村中が大騒ぎになりました。
村には、アーティストのオルガが滞在していました。
彼女は、若く美しい女性。
オルガの兄弟もバイオリン奏者でした。
アンドレアの引くバイオリンの音色を聞いて彼に興味を持ち始めます。
そして、美しいアーシュラとアンドレアが互いに惹かれ合っていくのは自然な成り行きでした。
一方、戦時という時代背景のおかげで「恋人と過ごす」という経験を持てずに歳を重ねてしまったアーシュラ。
かつての彼女の恋人とアンドレアの姿を重ね合わせ、恋心に再び火がついてしまいます。
姉のジャネットは、夫を亡くしてはいるけれど、夫と楽しい時期を過ごしたことがあります。
恋愛経験が少かったためか、アーシュラは気持ちのコントロールがうまくできません。
自分の気持ちに戸惑ってしまうんですね・・・。
自分の年齢をわきまえようと葛藤する姿、抑えきれずにとってしまった行動・・・。
私はまだ初老ではありませんが、彼女の苦しい心がわかるような気がして切なくなりました。
そして、オルガから話を聞きつけた彼女の兄は、アンドレアに「ロンドンで演奏しないか」と口説いてきます。
アンドレアは、命を助けてくれた初老の姉妹を気づかいます。
そして、アーシュラの気持ちにも気がついているようです。
でも、演奏家としての自分の情熱に従いました。
姉妹に何も告げずにロンドンへ旅立ってしまいます。
アンドレアの初のロンドン公演の日、村中がラジオから流れる彼の演奏を聞き入っていました。
ジャネットとアーシュラはどうしたのでしょうか?
彼女たちはロンドンまで出かけていきます。
どうしてそこまでする?と思いました。
アンドレアと対峙した姉妹、ジャネットは何か言いたげでしたが・・・。
アーシュラの引き際が切なくもあり、安堵の気持ちもあり、若い世代への期待もあり、だったのかと個人的には感じました。
ジョシュア・ベルのバイオリン
映画の中で使われているバイオリンの演奏は全てジョシュア・ベル(Joshua Bell)によるものです。
エンディングの音楽があまりに素晴らしかったので、クレジットをメモしてネットで調べました。
世界中のオーケストラと共演するぐらいの実力のあるバイオリン奏者です。
私が観たのは海外版です。
「ラベンダーの咲く庭で」をリスニングに使うなら、英語字幕があるものがおすすめです。
購入前に、字幕があるかどうか確認してくださいね。