クランフォード(Cranford)第3話のあらすじと感想

2023年5月16日

第3話「1842年11月」

L I B E R T Y

壁にペンキを塗る作業をしているハリー。

「L」
と、カーター氏が質問します。

「『L』は「Labour」、労働を意味し食料と誇りを生み出します」
ハリーが答えながら、カーター氏が言う文字を壁に書いていきます。

「I」

「Intelligence – 知性です。
すべての人が生まれながらにして持っているもの・・・
だけど、その使い方を学ばなければならない」

「B」

「Book – 本には、ほとんどすべてのことが書かれてる」

「E」

「Education – 教育です。
私に教えてくれる・・・」

「R」

「Read – ・・・・どのように読むのかということを」

「T」と言って、カーター氏は続けます。
「Transcend – 自分がいる場所から飛躍すること。」

「Y」

「You – あなたのことです、カーター氏」

そして壁には「LIBERTY(自由)」の単語が。

教育は人を自由にするのですね。
もうカーター氏がかっこいいです。

私の大好きな場面です。

クランフォード(プライムビデオ)
Cranford (Prime video)

ハリーの父親の逮捕

その頃、町には強盗事件が相次いで起こっていました。
雑貨屋のジョンソン氏も後ろから殴られて店が襲われてしまいました。

町の女性たちは会議を開き「フランスからのスパイよ」などと推測を立てます。
ポール夫人は、家じゅうの銀製品を集めてマティの家に避難します。

男性陣は「クランフォードにはきちんとした警察が必要だ」と議論。

ラドロー夫人の雉

ハリーの家族は、いまだにラドロー夫人の敷地内で密漁をしないと生計が立てられません。
父親と二人で敷地内に入り、質の良い雉を数羽見つけて家に持ち帰ります。

翌日、ハリーが仕事に行くと、カーター氏が慌てています。

「昨晩、密漁者がラドロー夫人の雉を捕ってしまった。
12月に謹呈する大事な雉だった」

当然、ハリーは「まずい」と思います。

ハリーの父は密漁した雉の一部をお金に換え、家族を連れて雑貨屋へ。

何枚かお金を手にしている父。
それを見た店主のジョンソン氏は「もしや」と勘ぐってしまいます。

夕方。

ハリーの家では楽しい夕飯の時間を過ごしていました。
あのお金のおかげで夕飯の内容も充実しているようです。

そこに突然の訪問。
ジョンソン氏を襲った罪で逮捕されてしまいます。

普段お金があるはずのないない人がお金を持っていたら怪しむのは自然なことです。
でも、「襲った犯人」が白昼堂々と家族を連れて「襲った店で」買い物するだろうか?って思ってしまいました。

ハリーは拘留されている父にパンと果物を持っていきます。

「どこにいたか正直に言った方がいい。
じゃないと父さんが船でどこかに送られてしまう」

「密漁をしていたことがバレたら、お前も捕まってしまう。
まだ10歳なのに刑務所に入れたくないんだ」

だったらお父さん、普段からちゃんと働いてよ。
ハリーが可愛そう・・・。

打ち明けて助けを求めるハリー

カーター氏のオフィスにて。

ハリーは訴えます。
「父はジョンソン氏を襲っていません」

「お前の父親があの時間何をしていたか証明できるのか」

「父さんはラドロー夫人の敷地で密漁をしていました。
夫人の雉を捕りました」

「証明できるのか?」

「僕が一緒にいたからです」

ハリーは泣きながら屋敷を去ります。

切ないですね・・・。
ラドロー夫人の大切な雉を捕ってしまったことだけでなく、本当にお世話になっているカーター氏の顔に泥を塗り裏切ることにもなる。
でも食べさせなくてはいけない家族もいる。

ラドロー夫人ーとカーター氏

カーター氏はラドロー夫人の所へ願い求めに行きます。

「ハリーの父親の罪状は『敷地内の密漁であること』を訴えていただけないでしょうか」

「どうして私が密漁者を助ける必要があるの」

「ハリーの家族は小さい子供がたくさんいます。
父親が船で送られてしまったらあの家族は生きていけない。」
「あなたが助けないなら、神がたすけるでしょう」

どうしましょう。
カーター氏がかっこよくて・・・

ラドロー夫人は、カーター氏の訴えに心動かされたのか、ハリーの家を視察しに行きます。

ほぼ小屋であるかのような家に子供がたくさんいて泣き声もする。
「こんな世界があるのか」と、夫人は相当なショックを受けたようです。

ラドロー夫人は判事のチャールズ卿を呼びだし、

「被告の罪状は私の敷地内の密漁です。
被告がいなくなると乳飲み子を含めた6人の子供が路頭に迷います。」
「5ポンドの保釈金は私の財布から支払われます。
被告はその見返りに私の敷地で一生働かせます。」

そうしてハリーの父は家に戻ることができました。

ハリーの父親は、ハリー、カーター氏、そしてラドロー夫人のおかげだということをよく知っておくべきです。

バレンタイン

店先でバレンタインカードを眺める町の女性たち。

「最近はカードが機械で作られているらしい」
「機械がどうやって作るの?」
「機械で作ったものでどうやって気持ちを伝えられるの?」

といった話題に花を咲かせています。

ハリソン医師の友人

その頃、ハリソン医師の友人マーシュランド医師がクランフォードを訪れていました。
マーシュランド医師は、人懐こくて歌が上手な好感度の高いパーソナリティの持ち主でした。

「ソフィーとはまだ距離が近いわけではない」といったことをマーシュランド医師に相談します。

暖炉の前で会話をするジェントルメン2人(足長っ・・・笑)。

バレンタインデーのカードは差出人を書かない習慣です。
ちょっとしたミステリーなイベントです。

「ハットン姉妹にバレンタインのカードを出そう」
と、ソフィーの妹たちにカードを書くマーシュランド医師。

それとは別に、ハリソン医師に内緒でキャロラインにもカードを書いていました。
日中に会ったキャロラインがハリソン医師に好意を寄せていることを感じ取っていたのです。

しかし、このいたずらがハリソン医師に深刻なトラブルをもたらしてしまいます。

ホルブルック氏を訪れる

雑貨屋でホルブルック氏とマティは再会します。
前に会ったのは3か月前のガーデンパーティ。

電話もなければメールもない時代に、3か月のインターバルがあるのはよくあることのようです。
手紙も何日もかかって届きますしね・・・。

30年前、マティはホルブルック氏にプロポーズをされたことがありました。
マティの家族の反対、そして弟ピーターの素行不良により結婚をあきらめたのです。

マティ、メアリ、ポール夫人はホルブルック氏の家に招待されます。
ポール夫人はホルブルック氏のいとこで、しばらく訪れていませんでした。

ホルブルック氏宅で、マティは氏の若い頃の横顔のシルエットを見つけます。

おそらく、彼女にプロポーズをしてくれた頃のホルブルック氏なのでしょう。

ホルブルック氏はマティのことがずっと忘れられなかったようです。

その日もマティしか目に入らなかったようで、ポール夫人が
「隙間風が入ってきて寒いわね」
と苦情を言うと、

「ああそれは失礼」
と、マティにショールをかけてあげます。

その時のポールの表情が何ともコミカルで。
イメルダ・スタウントンの絶妙ば演技が大好きです。

後日、ホルブルック氏はマティを訪ねます。
氏がパリから戻ったらまた会う約束をする二人。

しかし残念なことに、ホルブルック氏はパリからの帰途で風邪をこじらせ肺炎になり亡くなってしまいます。

おわりに

イギリス英語を聞くのが大好きです。
台詞で「こんなことを言ってる」「あんな言い回しをしている」のように発見するのが楽しいです。

「英語音声」+「英語字幕」のDVDなら、字幕を表示しながら視聴で早読みの練習にもなります。

日本のアマゾンでも入手できますが、イギリスのアマゾンで入手する方がぐんとお得です。
日本と違って、イギリスのDVDセットは格安になることが多いからです。

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クランフォード(プライムビデオ)

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