クランフォード(Cranford)第4話のあらすじと感想

2023年5月16日

第4話「1843年4月」

ホルブルック氏の遺産を相続した甥は家財の多くをオークションで売り出します。
オークション会場となった故ホルブルック氏宅には町の人々が集まっています。

氏のいとこだったポリー夫人は、マティのために氏の横顔のシルエットを(値切って)購入してきてくれます。

それはマティがホルブルック氏宅に招かれたとき、愛おしそうに眺めていたシルエットでした。

クランフォード(プライムビデオ)
Cranford (Prime video)

ハリソン医師とソフィー

ハリソン医師とモーガン医師もオークションに参加しています。
漆塗りの中国製のテーブルを「あれは良い品物だ」と勧めるモーガン医師。

結婚を意識しているせいか、家具を揃えたいハリソン医師は頑張って競り落します。

しかしテーブルはソーイングテーブルだったことが判明。
それでは使い道がないからとローズ夫人にあげてしまいます。

ハリソン医師は、ソフィーに求婚の許しをもらいにハットン牧師を訪ねます。

医療により人と助けたいハリソン医師と、信仰により人を救いたいハットン牧師。
どちらも人を助けたいことには変わりない。
ハットン牧師は快諾します。

二人が部屋を出ると、そこには花を活けているソフィー。
多分・・・聞いていたはず。

二人の距離はどんどん縮まっていきます
とてもお似合いです。

勘違いをする人たち

ジョンソン氏の雑貨店に行くとソフィーに会えることが多いので、ハリソン医師は特に買うものもないのによく店に入ります。

そんなハリソン医師に店の夫人は気づいていて、
「今日は何かお探しですか?」
と、声をかけます。

それでは気まずいのでホウキを買ったり女性ものの手袋を買ったりするハリソン医師。
いつもローズ夫人にあげてしまいます。

女性ものの手袋は薄紫色のとても素敵なものでした。

ローズ夫人

ローズ夫人を訪ねたポール夫人がソーイングテーブルに気づきます。

きれいに二度見するポール夫人が素晴らしい。
イメルダ・スタウントンはこういう演技をさせたら秀逸です。

ソーイングテーブルというのは、花嫁道具にも持っていけるもの。

「これは婚約の意味があるのでは?」

と、勘違いします。

思い返してみれば、ほうき、素敵な手袋、ソーイングテーブル・・・
当時の女性だったら「婚約をほのめかしているのでは?」と思ってもおかしくない。
ポール夫人のそんな想像も手伝って、ローズ夫人も勘違いしてしまいます。

町では近々行われるメーデーのお祭りの準備中。
それに向けてポール夫人とフォレスター夫人が手伝ってローズ夫人の白髪を染めます。

染め粉はインディゴ。
「アフリカの野菜なのよ!」というポール夫人。

キャロライン

マーシュランド医師から、無記名のいたずらのバレンタインカードを受け取ったキャロライン。
絶対にハリソン医師からのものだと信じていました。

それなのに相変わらずハリソン医師から何のアプローチもないのでヤキモキしています。

そのためキャロラインが出かけているすきを狙って、姉のオーガスタがハリソン医師を招き入れて話をしてみることに。

昔の人のマナーなのか、直接的な表現をせずに気持ちを伝えあったり探り合ったり、花言葉を調べて一喜一憂したり・・・ということをよく行いますね。

オーガスタは訪ねます。
「あなたは結婚する準備はできているのでしょうかか?」

ソフィー宅を訪ねた後だったので、ハリソン医師の頭の中はソフィーでいっぱいです。
ソフィーとの結婚を想像しながら結婚に前向きな返答をしていきます。

オーガスタはオーガスタで、ハリソン医師の回答はキャロラインとの結婚を示唆していると勝手に理解して満足します。
そしてキャロラインに4,000ポンドの結婚資金を持たせることを打ち明けます。

メーデーのお祭りで、妹はプロポーズされるだろうと勘違いします。

Maryが手紙を書く

キャンドルの灯りの下で書きものをしているとき、マティはメアリーに行方不明になっていう弟のことについて打ち明けます。

弟のピーターは過去に町中を巻き込んでちょっとしたスキャンダルを起こしました。
町からいなくなって1年後に母が他界。

今はインド辺りにいるのではと思われます。
ピーターは、マティがホルブルック氏と結婚するときには、ウェディングドレスを作るためのモスリン生地をインドから送ると約束しました。
今ではその結婚ももう叶わないし、モスリン生地が届くこともありませんでした。

また、ジェシーは、父のブラウン大尉はしばらく帰ってこないし、ゴードン少尉からも連絡がない、と、メアリーに話します。

「2回もプロポーズしてくれてどちらも断ったのに、私のことなんて忘れて当然でしょう。
なにより、もう帰ってこないかもしれません」

と、ジェシーは切ない表情を見せます。

メアリーはゴードン少尉にジェシーの状況について手紙を書きます。
そしてもう一つあるお願いをしてみます・・・

ラドロー夫人、カーター氏、ハリー

カーター氏とハリーは、鉄道敷設予定地で仕事をしています。
背景には爆薬を使って土地を開いているのが見えます。

カーター氏は、ラドロー夫人へ届けるようハリーに手紙を渡します。

馬に乗りながらその手紙を読むハリー。
お約束のように手紙は風に飛ばされます・・・。

ハリーは正直に手紙を紛失してしまったことを謝罪します。

ラドロー夫人は、
「どうしたら手紙をなくせるの?ポケットがあるでしょう?」

ハリーは、
「大丈夫です。僕が内容を覚えています。
手紙はブラウン大尉からです。
内容は・・・」

「覚えていますってどういうこと?」

「僕が手紙を読んだからです」

使用人は文字など読める必要はなく、ただ仕事をすればよいという古い考えのラドロー夫人。
ハリーが手紙を紛失したことだけでなく、夫人宛の手紙を読んだことに憤慨します。

読み書きを教えていたカーター氏が叱られます。

「クランフォードには学校がない。
ハリーは学校に行くべきだ。
夫人、あなたは時代についていく必要がある!」

結局、ハリーはラドロー夫人に牛小屋での作業をするよう命じられてしまいます。

「ハリーに読み書きを教えたことを後悔はしていない」

と言うカーター氏に、

「カーター氏でもどうにもできないことがあります」

と諦めるハリー。

当時の階級によって受けられる教育の違い、男性と女性のステイタスの違いが伺えます。

一方、ラドロー夫人は、イタリアで能天気に暮らす放浪息子のために資金を工面します。
「息子のためだから」という夫人。

カーター氏の助言もむなしく・・・

マティの経済的な

マティは投資していた「Town & County」銀行が倒産したことを悟ります。

経済的にかなり苦しい状況になっていることを友人たちに気づかれないよう気を使います。
苦渋の決断でメイドのマーサにも辞めるよう切り出します。

マーサはちょうど、
「マティは親切の権化のような人。
あのお宅で働く以上に良い環境はない」

とジェムに話していたばかりだったので号泣します。

ジェムと結婚して二人でマーサの家に住んで家賃を払うという提案をします。

メーデーでのハリソン医師

「今日、妹のキャロラインは、ハリソン医師からプロポーズを受けるでしょう。
4,000ポンドの持参金を持たせるつもりです。」

と、いうことをハットン牧師に明かすオーガスタ。
ハットン牧師は顔色を変えます。

牧師は、ハリソン医師がソフィーに話しかるのを見つけ、
「信頼関係は崩れた
4,000ポンドの持参金を受け取るのか」

と咎めます。

そこに集まってくる人たち。

「持参金は私とは関係ありません。
私に提示されたものではありません。
私はソフィーにしか興味がありません」

「Oh・・・!」

と、ショックを受けたのはキャロラインとオーガスタだけではありません。

そこにやってきたローズ夫人たちもショックの様子。

「じゃあローズ夫人はどうするの?」
と援護するポール夫人。

「ローズ夫人?!」

一体全体何の話なんだ?と言わんばかりの表情を見せるハリソン医師。

「婚約こそはしていませんが・・・
私たちの間には理解があったと・・・」

と、遠慮がちに話すローズ夫人。

ハリソン医師が依然「????」という表情なので、それは勘違いだったと悟るローズ夫人。
めまいを起こしてしまいます。

「バレンタインのカードには『結婚』をほのめかしていました!
『約束の不履行』で訴えます!」

と怒りで震えるキャロライン。

ショックを隠せないソフィーはハットン牧師に連れ去られます。

何のことだか全く身に覚えのないハリソン医師。
困惑したまま第4話が終わります。

お気の毒に・・・。

おわりに

イギリス英語を聞くのが大好きです。
台詞で「こんなことを言ってる」「あんな言い回しをしている」のように発見するのが楽しいです。

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日本と違って、イギリスのDVDセットは格安になることが多いからです。

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